77億の感動


アメリカ在住のパフォーマーです。世界人口77億の感動研究中。プロフィールは下のカテゴリーから。
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大人のための心理童話

昔話というのは、昔のSF小噺だと私は思う。
化け物あり、
魔法あり、
謎の島あり、
で、
桃太郎がいたり、花咲か爺がいたり、白雪姫があり。。。

電話もインターネットも自動車もない時代だったから、
外からの情報は限られており、
内からの情報に充ちた話が多かった。
内からの情報、言ってみれば深層心理からくるメッセージ。

ということで、童話を心理学と結びつける学者は多い。
「大人のための心理童話」アラン・B・チネン著
を読んでます。
上下巻にわたって、16の物語を分析。

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こういう本、いつも「こじつけ」に思えるのですが、
広々とした精神世界というのは、不可解で、
とりあえずはわかったふりをする心理学、
嫌いなようで、じんわり好きです。

ちょっと紹介。

「魔法の財布」(韓国)の童話をまずお聞きあれ。

昔むかし、貧しい夫婦が薪を刈ってどん底の生活をたてていた。ある日、薪が盗まれ、老賢者が盗んでいたことを発見する。老賢者は彼を天につれていった。7人の乙女たちが現れ、財布をさしだし、乙女達は「好きなのをおとりください」という。彼は金銀詰まった大きな財布を欲しがったが、老賢者は「いや、この小さなのにしなさい。この財布からは毎日1枚一度だけの銀貨が出てくる。賢明に遣いなさい」といった。

家に帰った夫は、妻に財布を見せて銀貨を出した。二人はそれで魚を飼うか、腸詰めを買うかで、喧嘩になり、結局は何も買わずにいた。何日も同じことを繰り返し、間もなく多くの銀貨がたまり、ふたりは家を建てることに。が、美しい家を建てたくて、お金が足りなくなり、お財布を一日に何度も開けて、銀貨を3枚も出したところで、もう二度と出なくなり、その途端に雷が落ち、家はつぶれてなくなった。

夫婦は、もとの貧乏に。が、再び薪を刈り、一日1枚の銅貨を得て、そのうち、鶏や牛を買い、ふたりはそれで充分なのでした。

***

チネンいわく、この財布は、夢を追う青春の魔法の象徴である。そしてそれは、典型的な例として、完璧でない人間のまちがいによって壊れてしまう。
青春の魔法、、、完璧な社会と完璧な愛や人生を求め、それを可能だと思う魔法。それがささいな現実のあやまちで壊れる。それはまさに中年期の心の危機の到来。

私は、このお話、痛快でした。
銀貨が財布から出てきて、その使い道で夫婦喧嘩するって、まるっきり私達夫婦です。
ほんで結局貯金するっていうたら、あまりにもよくあること。
川から大きな桃が流れてくることはありえないが、
これはおおいにある話。
その現実感と並行して、
この賢者もええかげんなヤツやと思いませんか。
乙女が、好きなのをとりなさいって言ってるのに、
これにしろ、って押し付ける身勝手さ。賢者とは思えない。
第一、賢者が薪を盗むかぁ?
おもろすぎ。

最後は、
恨みつらみがなく、
童話らしく、めでたしめでたし。
なわけです。

チンネン、いえ、チネン先生、
この章は次のように結んでおられます。

青年から大人への過渡期において、男と女は比ゆ的な意味で知恵の木の実を食べエデンの園から追放される。彼らは青春の完璧さ、無垢、理想を失い、代わりに労働と努力を学ぶのだ。


Hmmmmmm.
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by kunikotheater | 2010-06-12 01:53 | ストーリーテリング

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