77億の感動


アメリカ在住のパフォーマーです。世界人口77億の感動研究中。プロフィールは下のカテゴリーから。
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このふたり



↑ こんな魅了の世界があるとは、思いませんでした。
今週の言葉として選んだseductionですが、
2週間にわたって、
ひつこく魅せられています。

>>続く
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# by kunikotheater | 2010-02-22 15:55 | 77億の感動の研究

悪女と感動の関係

歌舞伎なら、月を見ながら恋しい思いに泣く、という場面で、
舞台には実際の月を出してくることができないが、映画ならできる、、
かつて坂東玉三郎さんがインタビューで語っておられた。

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そんな舞台芸術の弱点はいっぱいあって、
そこを超えるために創造はあり、
観る者の想像力に依存しない、舞台芸術の発展があると思う。
Seductionが再びテーマの今日。

昨日はタンパの中学校のショーで、
着物に色をきかせて、
いつもの手抜き化粧に時間をかけ
目先のレベルアップに励む。
ショーの内容としては、
背筋をピンとはって、
使い古した台詞を美しい言葉に換えて、
使い古したビジュアルを見直しながら、やるものの
やっぱ、あたしのショー、Seductionから程遠いわぁ、と朗らかに思い、
Seductionへの試行は続きます。。

私が感じる、Seductionの特徴は、

対象となる相手がいること、
感覚的であること、
説明できない神がかりなものを含んでいること
策略があって成り立っていること

言ってみれば悪女ってやつですか?
それに成功するためには、悪女から学ぶのもいいかもしれない。

続く<<
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# by kunikotheater | 2010-02-20 06:54 | 77億の感動の研究

キャロライナのブーツ *長い短いお話*

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ノースキャロライナのショーの仕事が終わって、
チャペルヒルの友達に会いにいきたくて、
電車に乗ることにした。
ドライブしてもいいけれど、
最近できた新しい電車、乗ってみたかった。

飾り気のない教会のような入り口を入り、
見回すけれど、誰もいなかった。
アメリカの田舎の駅、こんなもんだ。

電車のチケットを買うマシンは
クレジットカードだけでなく、
私のグリーンカードを通さねばならなかった。
故障だろうか、
緑のライトが点灯し、
クレームがつき、通れない。

若い乗務員が、ドアを開けて、
コンピュータをちらっと見て言った。
「なるほど、
履いておられる、その茶色のブーツです。
あなたが靴屋さんでそのブーツを買ったとき、
はいてみてすぐにレジに歩き出し、
接客していた店員を無視して買ったでしょ。
それがクレームで残っているのです。
あなたのグリーンカードにはすべてファイルで記載されています。」

「そ、そんなことを言われても、、、、
じゃぁ、そのクレームを解消するためには、
どうすればいいのですか?」
私のグリーンカードはアメリカでの永住権を示すものなのに
全く関係のない情報まで入力してる。移民局のしそうなことよ。やれやれ。

乗務員はクイズに答えるかのように、私がどうするべきかを答えた。
「そのブーツを黒に塗り替えて、
茶色のブーツは買わなかったことにしてしまうのです。」
「それですむのなら、構わないけれど、
そんな面倒なことはしなくて、いっそのことこれを捨ててしまうというのはどう?」
乗務員は少し考えて、言った。
「それはいけません」

乗務員は奥からバケツとエプロンとペンキを持ってきた。
「よくあることです。すぐに始めてください。」
「あのぉ、、このかごのりすはなんですか」
「そのしっぽを筆に使ってください」
「え?」
乗務員は忙しそうに、切符の整理をしながら、私の顔を見ずにいった。

私は、時間がなく、選択がなく、仕方なく、
りすをかごから出した。
すると、りすは鳥のように一瞬のうちに2メートル近くはばたいた。

乗務員はあきれて言った。
「困ったなぁ、これだから、初心者は困るんだ。」
彼は、また奥に行き、
今度はうさぎの耳を両手でつかみ、差し出した。
「次はこれを使ってください。」

「あのぉ、ふつうの筆とかブラシとかないのですか?
なぜこんな生き物を使うのですか?彼らにとったら、いい迷惑じゃないですか?」
私はできるだけ論理的に言った。

乗務員はあきれて言った。
「困ったなぁ、これだから、空が青いんだ。
あなたみたいにおセンチなヒ人が空を青くするのです。
いいですか、青っていうのは、気持ちを静める色なんです。
そして、気持ちを‘沈める’色なのです。
うさぎの耳で色をぬっていかないと、空の色はいつまでたっても、悲しい色なのです。」
私は、乗務員の冷静な口調に、負けずに冷静に彼の話を中断した。
「なぜ、うさぎの耳で私のブーツを黒に塗ることが、
空の色と関係あるのですか?」

乗務員はあきれて言った。
「もう、まるきり困っちゃうなぁ、そんなセンチな論理で、勝とうとする人は、
死んでもらうしかないですね。」
「そちらの改札口へ行ってください。」

私はひとけのない改札口の脇に連れられ、
死ぬ覚悟をした。
けれど、よく考えると、
こんなことで死ぬのはつまらない。
携帯電話のGPSを見ると、私は、昨日、トレッキングに行った森林公園の近くにいた。
そこの管理人のおっさんといつかデートをしましょ、と彼の電話番号を携帯に入れたのを思い出した。
死の改札口で、乗務員がのろのろと何かを用意している間に、
電話をした。

乗務員に見られないように、電話をしようと思ったのに、
私の電話は大きなブラックベリーで、
乗務員はすぐに察知してしまい、電話を取り上げた。

乗務員は、あきれて言った。
「困ったなぁ。電話にすべてを頼っていると、いつまでたっても、空の色は変わらないよ。」
ため息をついて、
さらに、私のかばんを丸ごととりあげて、
手ぶらの私を改札口の真ん中に立たせた。

何もかもひとりでこなしている乗務員は、
コンピューター室と、改札口を急ぎ足で往復して、
私の死刑を進めるのだった。
私はやっぱり死にたくなくて、
神様にお願いした。
「私は自分の意見を言っただけなのです。
うさぎだって、りすだって、意見をもっていると思います。。
自分の体を筆に使われるなんて不公平だと思ってると思います。
不公平がまかり通る世の中を、どうかお助けください。
空が青かろうと、悲しかろうと、進化していく私達は、どうにかしていけます。
私が生きていくためにはどうすればよいのか、どうか、智慧をお与えください。
わたし、、なんでもします、。
悪い行い、やめます。
スピード違反も嘘の税金申告も酔っ払ってブログ書くのもやめます。
仕事してるフリもやめるし、納豆を食べない夫を蹴るのもやめます。
な、なんでもします。私に智慧をお与えください。」

沈黙の中、私はじっと立っていた。
そこへ爆音と共に、でっかい戦車のようなジープが
改札口にのりこんだ。
武器のつもりか、大きな岩を車のてっぺんに乗せていた。

「お~い、大丈夫か?森林公園の電話はテレビ電話だから、状況はすぐに把握できたよ。
時々、観光客がこういうトラブルに巻き込まれるんだ。さ、車に入ってよ。今から、岩を転がすから。」
「待って、何をするの?岩でこの改札口をつぶすってこと?
そしたら、中にいる乗務員もつぶされて死んでしまうわ。
ね、それは暴力を使って戦うことになるわ。
お願い、ちょっと待って。何かいい智慧がないか考えているところなの。」
「アホなことをいうてる場合か?
そういうセンチな論理は、時と場合を選ぶんや。
暴力には暴力で勝たなければ、正義が通せないことだってあるっ。
さぁ、乗務員が出てくる前に、岩をころがして、ここから逃げるんや!」
「待って、いい智慧があるの。」

私は、コンピューター室に入って、乗務員を呼んだ。
「すみません。空の青を変えるために、孔雀の尻尾がいいことをご存知ですか?
私の近所の人がいつか言ってました。お連れしますので、車に入ってください。」
「困ったなぁ、もう死の改札口のプログラムができたから、すぐに死んでもらわないと、30分以上すると、また、プログラムのし直しだ。
だめだめ、先に死んでください。僕は忙しいんですから」

さらに、乗務員はあきれて言った。
「そんな無茶はできない。だめ。先に死んでもらってからだ。」
すかさず、私は言った。
「私が死んだら、どこへ行けば孔雀に会えるかわからないでしょ。」
「そういうセンチな論理で勝とうとするところが、大嫌いだ。」
「センチな論理じゃないわ。簡単な論理だわ。
そうやってセンチな論理と決めつけるあなたは、市民権の裁判にかけられても文句はないわ。」
乗務員は裁判という言葉に固まった。
彼はよくできたロボットだった。
固まって、瞬間にサーキットが止まって、こめかみに赤いライトが点灯した。

私は固まった彼を車にのせ、
無人になった改札口に、岩を転がした。改札口は粉々になった。

乗務員はあきれて言った。
「どうして僕を殺さなかったんですか?」
こめかみの赤の点灯は消えて、以前のように、ニンゲンのように話す乗務員だった。
「殺し合いでなく、話し合いで決めれることはまだまだあるわ。」
「センチな論理で勝とうとするのですね。」
私は例の茶色のブーツを脱ぎ、
自分の手をペンキにつっこみ、ブーツを手で黒に塗りたくった。
「これで文句はないでしょ。」

乗務員はあきれて何も言わなかった。



話はこれで終わる。
ところで、、、、 なんだけど、
この主人公の「私」は、私ではない。
私も、センチな論理の持ち主だけれど、、、。

そして私みたいな論理の持ち主はこの世にいっぱいいる。

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# by kunikotheater | 2010-02-13 23:48 | エッセイ

ファッションとコスチューム



新しいショーのコスチュームの研究中っす。
で、
好きなデザイナーの作品をサーフィンしてます。
一番好きなのはやっぱりビビアン・ウエストウッドなんです。
www.viviennewestwood.com
何歳になってもパンクな彼女、かっこええ~





直接コスチュームに使えるわけではないが、いいのである!
見てるだけで、なんかええ感じになるわけやから。
ほんでもって、ビビアンついでに、ビビアン・タム。
www.viviennetam.com
アジアンなので、これはかなりヒントになるやん。







あぁ、楽しかった。
えっと、、、ほんで、、なんやったっけ?
コスチュームやがな!
あ、そうそう、ファッション楽しむみたいに、コスチュームも楽しめたら、ええんちゃう?
ふむ、そういうことにしておこう。

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# by kunikotheater | 2010-02-02 12:19 | アメリカエンタメ情報

世界が市場



こんな進化がうれしいなぁ、って思うんです。

彼女はデパートの仕事をクビになって、
自分が好きな編み物に打ち込んで、
それをアートクラフトの作品を売れる、
www.etsy.com
で出したわけです。
彼女の名前はYokoo Gibran、
作品はのページはここ。
www.etsy.com/shop/Yokoo

年間$140,000の売り上げがでて、
Urban Outfitters
からのオーダーも来て、
好きなニットの仕事に没頭しているのでした。

オンラインが普及する前は
なかなか売る場がなく、
近くのマーケットといってもしれてました。
世界を相手にする市場が
かちゃかちゃと写真を入力して、
メールでやりとりするだけで、
そんな市場が、、、あるなんて、
コーフンします。


NY Times の彼女の記事は
http://www.nytimes.com/2009/12/17/fashion/17etsy.html

★ ★ ★

セントルイスのショーが終わって、ブログアップしました。セントルイスの街、本当に歴史がいっぱいで、写真がいっぱいっす。

http://kunikoyamamoto.blogspot.com/

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# by kunikotheater | 2010-01-31 07:10 | 77億の感動の研究

ハイチ地震 3匹の子豚 あたしにできること

★★★
昔むかし、あるところに3匹の子豚、ブー、フー、ウーがおり、それぞれが独立し家を建てました。
ブーは金持ちで、立派なレンガの家を建て、
あんまり金持ちでないフーは、木の家、
貧乏なウーはわらの家を建てました。
ある日、
ふくろうが町中に「来年大地震が起きるよ~」といいました。
ブーは鉄のパイプで家を補強し、
フーはできるだけお金を使って家を補強し、
ウーは何もできませんでした。
大地震で、金持ちのブーの家は残り、
あんまり金持ちでないフーはまぁまぁ残り、
貧乏ウーは家が崩れて死にました。終わり。
★★★

ハイチ地震は、被害の悲惨さと共に、
貧しい国の現実に私達がより添うときをくれたように思う。
合掌。

そこで思ってしまった。
どんな金持ちであろうと、地震は地震、平等にふってくる。
だけど、その対策と準備に、貧富の差が出て、
いくらかの被害の大小が起きてしまうのではないか?
NY Timesによると、
地震の研究者がハイチに前もって、地震の予告をしたのだという。
けれど、ただでさえ政治経済不安定に苦しむハイチ、何もできなかったのだという。

フロリダは数年前、ハリケーンが続き、
私のすぐそばの家が吹っ飛ぶくらいの被害があった。
けれど、時はブッシュ政権、ブッシュの弟がガバナーだったので、
ありとあらゆる援助がきて、フロリダの復興は予想以上に早かった。
ニューオリンズのハリケーンからの復興と比べたら、天地の差があったと思う。
それは、被害の大小にもよるし、
言葉でわかるほどのものではないけれど、
多くの要因のなかで、
ルイジアナの政治家のパワーと州の経済力、の弱さが要因のひとつにあったと、私は思う。

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☆☆☆
昔むかし、昔むかしいた3匹の子豚の子孫が、
れんがの家、木の家、わらの家に、それぞれ住んでおりました。
ある日、ふくろうが大地震の予告をした時、
金持ちブー子孫は貧乏ウー子孫を前もって助けてやり、
大地震がおきても、ウー子孫は死にませんでした。終わり。
☆☆☆

よし、金持ちブー、かっこいいぞ!
ふむ、貧乏ウー、生きて頑張れ!
よっしゃ、今日のあたし、オマエが一番あかん。もっと歩け!
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# by kunikotheater | 2010-01-17 00:24 | エッセイ

So what?

今朝は、ランダムにセットしたPlaylistから
Miles Davisの So what? で、クールに始まりました。

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大阪弁に訳しますと、
So what? は
「 そんで?」
って言うでしょうね。

更に
私の育った河内弁でいいますと、
「 なんぼのもんやねん?」

たとえば、こんなシチュエーション、、、
誰も聞いてへんのに、おっさんが喋りまくるとします。
「俺なぁ、昔はすごかってん、石油で儲けてな、船もあったし、30人の下のもんがおってな、ミスニッポンが家にしばらくおったんや。これが写真や。すごいやろ。」
鼻クソぷっ。「なんぼのもんやねん。」
てな具合になります。

しょうもない自慢話は、So what?
でキリをつけましょう。

***

すごく綺麗なものを見て感動したり、
すごく偉大な魂に触れて感動したり、
すごく心が動いて感動したり、
の瞬間を表現するとき、
So what?
で終わらないには、
ねぇ、 Miles兄貴、どうしたらいいんでしょね?
兄貴のプレイを聞きたい方はこちらへ、お入りやしておくんなはい。
ささ、ずずずぃぃいいいいい~と。
http://www.milesdavis.com/flash/musicPlayer.asp
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# by kunikotheater | 2010-01-15 02:03 | 77億の感動の研究

可愛いい理由

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プチバトウーというフランス服のメーカーのサイトに出たアートです。
友達が、オリガミみたいやから、ってリンクを送ってくれました。
http://www.petit-bateau.co.jp/marianne/les_animaux/

思わず笑ってしまったのですが、
たとえば、カエル。子どものキャミソールを折って、こうなったのですよ。
ほんでもって、ふくろうの頭は子どものパンツでおます。

可愛いとしかいいようがなく、
ふと、なんでこんなに可愛いんやろ?って。

アートとして、いろんな理由はあると思うけど、
私の印象として、
見えない曲線の終わりまで綺麗におさまているところや、
きづかないようなバランスにもかなり気を配っているところ、
そんなディテールへのこだわりが、
可愛い理由かなぁ、と思ったりしました。
ほんでもって、こういうのが、
感動を呼ぶ理由のひとつかなぁ、って思う土曜の夜でした。
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# by kunikotheater | 2010-01-10 16:22 | 77億の感動の研究

寝正月ヒーロー

お正月は寝正月。
お雑煮は普段のお味噌汁におもちが入るだけ、
部屋の飾りつけは、たまたま持ち込んでいた、自分の生徒が描いた干支の絵。
うちの母は昔から、そんなんでした。

そういうノリ、一体なんやねん?
ふ~む、
ひとつには、ケチというのがある。
もうひとつには天性のずぼらというのがある。
もうひとつには、、、、

***

今でも覚えているのですが、
学校の教師の母は、時折、自分の生徒を家に泊まらせていました。
恵まれない家庭状況の生徒たちでした。
ひとりっこの私は、一緒に遊ぶ友達がでけて嬉しく、
どの子がきても仲良くしてました。
おそろいの服を着たり、一緒のおふとんで寝たもんです。
時々、きたな~い子が来て、
近所のおばばがお風呂に連れていき、3軒先のおばが散髪してあげて、長屋はにぎやかです。
ひとり、ふたりと増えていくこともあり、多いときで、4人が狭い家に転がり込み、警察が取り調べにきたこともありました。
家が無く、入れる施設もなくて、1年近くいた子もいました。ある日、大きな黒い車が止まって、ばらのワンピースを着たおばさんにひきとられました。
母は、連れてきた子どもに、特別に何をするわけでなく、
私と同じように食べさせ、本を読ませ、「あんたは賢い」とほめまくって、おだてまくって、寝かせるのでした。
それは私に使う手とまったく同じで、
誕生日を祝ったり、お正月をしたり、の面倒でお金のかかることはいっさいなしで、めでたい母でありました。

4年生の時、私はよしのさんを家に連れてきました。
特殊学級のよしのさんはお父さんが死んで、帰る家がない、と担任の先生に頼まれました。
彼女は週に2日、私達の4年1組に来ます。
私は出席番号がよしのさんの一つ前で、そのせいか、彼女はいつも近い感じでした。
きりんのように背が高く、南の子のように色が黒く、魚のように無口で、ふしぎな雰囲気のこでした。

母は、私とよしのさんを従え、彼女がいたという家を探しにいきました。
国道沿い工場裏、自動車廃棄場にあるバラックで、
破れたトタンが屋根、スクラップが壁でした。
10人位のおっちゃんが座ったり、寝たりしてはりました。

おばは日曜日の朝、よしのさんの髪をとかしながら、「ほんまは15歳くらいかな?」と訊きました。
よしのさんは頭をかしげました。
彼女はお誕生日も知らないし、自分の年齢も知らなくて、
母は「うちのくに(私のこと)と同じでええやん」と例のすぼらをかますのでした。

私は、ゴム飛びに人生のすべてを捧げていた頃でしたので、
外で遊ばない彼女とはあまり遊ばなかったけれど、
寝る前に絵本を読んであげるのが好きでした。

クリスマスが近づく頃、
よしのさんは病気みたいになり、おばがよしのさんを病院に連れていきました。
妊娠でした。

その後、何日も、
母は、帰ってくるのが深夜で、
おばと毎晩よしのさんのことを話していたようです。
母は寝不足のせいか、元気がなく、
気分解消やと思うんですが、
青天の霹靂で、
「よっしゃ、今年はクリスマスの会をするで!」
と宣言しました。

で、
12月中旬から、大きなクリスマスケーキを注文し
場所はおばの家、ということで、
早速クリスマスツリーを買ってきて、飾りつけました。ました。
私にとっては生まれて初めてのお祝い事で、興奮しました。

当日、母はゆで卵10個と、ほうれん草のおひたし、という、不可解なものを持ち込み、
料理上手のおばがてんぷらを並べました。
おばの息子のクソガキ3人と、私とよしのさんが子ども軍団で、
他にお隣のおばちゃんやお菓子屋のおじいちゃんも来ました。
おじがウイスキーをなめさせてくれ、
子どもたちは全員酔っ払い、
私はケーキを食べまくり、ゆで卵を6つも食べました。
よしのさんも楽しく、いっぱい一緒に食べました。

そこへ、緊急事態発生です。
おじから腕立て伏せ30回の命令が勃発。
(おじは気分がいいと、この命令を発します。)
すみやかに子ども軍団はよしのさんも含めてみんな畳に伏して対応。
更には、うでずもうへと自主体制を組み、
お膳と台所片づけ命令に全員出動し、
最後は、すもう3回戦という深刻事態に突入。
柔道バリバリのクソガキトリオは強く、私は負けて痛い目にあい、泣きまくり、
よしのさんに手をひかれて家に帰りました。

大人たちは、夜遅くまでしゃべっていたようです。翌日の母の目は赤く腫れていました。
「お母さん、どないしたいん?泣いたん?」
「よしのさんはな、赤ちゃんを産んでも、ひとりで育てていかなあかんねん。
こんな事、放っておかれへん。。。。放ったらあかん。
でもどないしたらええかわからへんねん。
赤ちゃんがおったら、入れる施設なんかあらへん。
みんなの力でよしのさんが中学校へいけるようにせなあかん。
どないしたらええと思う?」
「うちで赤ちゃん育てたらええやん」
「あんたなぁ、、チューリップ植えるみたいに言いなや~
赤ちゃんがいたら、あんたは毎日子守りやで。ゴム飛びなんかでけへんで。」
ゴム飛びができなくなる、、、それは世紀末や!
私は即座にコトの重大さを察知しました。

結局、数日後、お正月前に、
母が何度も会いにいった教育委員会のえらいさんがなんとかかんとかで、施設が見つかり、
よしのさんは、遠くの施設に移りました。

お正月は寝正月。
お雑煮は普段のお味噌汁におもちが入るだけ、部屋の飾りつけは自分の生徒が作った干支の絵。
相変わらずのずぼらな、この説明のしようのない、私の母のノリ。
どうにかしてほしいが、
母は、昼寝をきめ、「起こしたら、足こそばしの刑やでぇ~」。
しょうがないので、私はおばの家へ行き、
クソガキどもが釣りにいったすきに、
やつらのマンガを読みまくったのでした。
「あしたのジョー」はみなしごだけど、ありとあらゆる試練を乗り越えて宿命のボクサーになり、
「水滸伝」の豪傑たちは、魔星の生まれ変わりとして、力をあわせて、悪い官吏を倒していく。
私もゴム飛びで正義を示すんや、って燃えた。
昼寝を終えた母にその意思を伝え、
「お母さんも教育で正義を貫いてねぇ」と言うと、
「ほなら、あんた、このテストの丸つけ手伝ってぇ~、あたし藤山寛美ちゃんの番組見たいねん。」とのたまうのでした。

今になって思うと、
母のノリは、
彼女の正義と何か関係があるのかもしれません。
どんなにずぼらでケチでも、
家のない子は放っておかない、というのは、
子どもたちへの愛であり、正義であり、
たいしたことはできないにしろ、
それはそれなりにカッコよく、
母は永遠に、
私の寝正月ヒーローなのでありました★
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# by kunikotheater | 2010-01-08 13:57 | エッセイ

新年★いなりずしからのメッセージ

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映画「天井桟敷の人々」は私の原点にあたる映画のひとつです。
この映画をみなければ、マイムをしようとか、思ったりしませんでした。
大学生の頃、近くの京都の祇園会館で、朝、映画館に入り、夜の10時までいました。
3回、繰り返してみたんです。

ジャン・ルイ・バローは、実在のバチースというマイムを演じました。
彼の演技は、私にとって夢です。

去年は、原点から離れた課題に取り組んだ年だったと思います。
ショーの仕事と、家庭&友だち&ネットワークの両立をできたらなぁって。
決してパーフェクトでありませんが、いくつかは果たせたと思うんです。
だから、
今年は原点に戻って、もっとパフォーマンスの可能性を更に追ってみたいです。

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夢はいくつあってもいいと思うんです。
今年はこのあたりの夢を追って、来年はまた違うのを追ってみます。
そういえば、こないだのパーティで、いなりずしも言うてました。
みんな違うでぇ~って。
違う夢を食べてねぇ~って。

Hey!言うてたってば!!!

A Happy New Year ☆
Sweet Dreams - Kuniko
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# by kunikotheater | 2010-01-02 13:08 | 77億の感動の研究

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